心綺楼

見たもの、読んだものなどの感想記録

BOYNEXTDOORというK-POPの集合知

HYBE傘下のKOZからZICOプロデュースでBOYNEXTDOORという6人組アイドルグループがデビューしました。

まずはこれを見てください。


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確実に韓国大衆受けする良曲に、Pinterestや映画・雑誌から出てきたみたいな綺麗で爽やかでお洒落なMVに、アイドル感もあるのにHIPHOP歌手みたいなバイブスもある実力。

あまり韓国のHIPHOPのラップに詳しくないのでしっかりした考察ができなくて悔しいのですが、ジェヒョンくんとテサンくんのラップがどちらも本格的なのに正反対のタイプで、この2つのタイプが共存していることが新鮮でした。ジェヒョンくんのラップはYGやBTSに見られるようなHIPHOP感の強いラップで、テサンくんのラップはアイドル界ではNCTのマークが確立したアイドルラップとは一線を画す本格的なラップではあるものの癖のない滑らかで爽やかなラップ。この2つのタイプのラップはアイドル界において事務所で棲み分けがされていて、勝手にラップの根本思想が違うから共存し得ないものだと思ってしまっていた節があったので、新しく感じました。

BOYNEXTDOORのコンセプトは等身大の親しみやすい男の子というものですが、これもありそうでなかったものだと思います。BOYNEXTDOORと同系統同年代のアイドルグループだと、どうしても「可愛い男の子」というのが売りになってしまう節があるのですが、BOYNEXTDOORは違います。ウナクくんはもちろんめちゃくちゃ可愛いですが、全員が可愛いキャラというわけではないです。というか、そもそもなんだか全体的に自然体で、アイドルとして「可愛く」「かっこよく」あるべきという根本思想があまりないように思えます。だからこそこちら側もリラックスしてコンテンツを楽しめるような気がします。これが、このグループの打ち出している「親しみやすさ」なのでしょうか。あくまで自然体で魅力的な子たちがパフォーマンスをしているだけであって、良曲を出そう、良いパフォーマンスをしよう、良い映像を作ろう、そんな根本思想の元に作られているように思えます。

K-POPの市場において、ガールズグループには男性ファンはいるのに対して、ボーイズグループの男性ファンは全体的に少ないように思います。でも個人的に、BOYNEXTDOORはこの自然体の魅力と曲の良さから男性からの支持も受けられるのではないかとも思います。

このグループはBIGBANGやBTSなど天下を取った本格的HIPHOPの潮流、初期のNCT DREAMやTXTなどの一定の支持を受ける爽やか清涼コンセプトの潮流、昨年のデビュー以来快進撃を続けているNewJeansのような良曲をベースとして自然体の魅力を押し出す潮流など、K-POP界の様々な潮流を汲んでそのすべてを見事に統合したK-POP集合知とも言えるグループだと思います。

売れないわけがない。

 

では、それぞれのメンバーに対する印象を書いていきます。

ジェヒョンくん

元YG練習生なだけあって、めちゃくちゃラップが本格的で上手です。個人的にBTSのラップにも似たようなものを感じています。BOYNEXTDOORを聞いたときに初めて感じたBTSっぽい声質だな、という感想はジェヒョンくんの声によるものだと思います。

ダンスも歌もラップも上手いし、リーダーで司会もそつなくこなすオールラウンダーな上に、正統派HYBE顔イケメンで表情管理もすでにプロ。しかもサッカー部所属で頭が良くて生徒会長だったそうです。完璧すぎて怖いレベル。こういうタイプの子って往々にして大金持ちの子どもというイメージなんですけどどうなんでしょう、海外に住んでいたという情報もあるのでもう絶対にそうな気がするのですが…

器用でパーフェクトな彼ですが、さすがにデビューしてすぐのMカのインタビューでは緊張している姿が見られて、めちゃくちゃ応援したくなりました。

ヌナキラー感がすごいので花より男子の美作あきらもやってほしいし、完璧だから花晴れの天馬くんもやってほしいです。

なんでも器用にこなすジェヒョンくんとは対照的な昔から陸上だけに熱中してきた天才肌で有名な陸上選手のお兄ちゃんがいて、幼馴染でありお兄ちゃんの彼女のお姉さんに片想いをしていて、叶わないとはわかっているものの諦めきれなくて同級生から毎日のようにされる告白をすべて断っている役をやってほしいです。

ソンホくん

はい、危険な男ナンバー1です。肩幅が太平洋並みに広い。

彼を語る上で、このTrailer filmは欠かせません。


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バイクに乗って(ソンホくんの危険な魅力からオートバイクに見えましたがただのごつめの自転車でした)、「あの子は誰?」

これ完全にあれですよね、ふっおもしれー女…ってやつですよね。

もしかして、ホットロードに出てた?溺れるナイフに出てた?

そんな危険な魅力が彼にはあります。

大人しくてちゃんと課題もしてくる真面目な優等生でいつもクラスの隅で本読んでるのに、実は中学時代は地元で有名な不良で喧嘩がめちゃくちゃ強くて、高校に入ってから不良は卒業して工事現場でバイトしていて、ヒロインが不良に絡まれて危険な目に遭っているときに助けてくれるみたいなポジションで出てきそう。たまに夜の公園でバスケをしていて、そこで色々あって悩んでいる主人公とばったり出会って、一緒にブランコに乗って話を聞いてくれるシーンは絶対に見たい。

But I Love YouのMV中のパーティーのシーンでビアポンをしている姿がめちゃくちゃ様になっていました。

ここまで書きましたが、実際に話しているところを見た感じ穏やかでふわふわしている感じの子なのかな?という印象です。先述のビアポンのシーンでも外してるし…ちょっと抜けてるふわふわした子だったら、ギャップで死んでしまいそうです。SerenadeのMVの最後のシーンでも女の子への手の振り方にどうしてもやさしさがにじみ出ていました。絶対にいい子。

リウくん

初めて見た時、恐竜顔だ…!と思ったのですが後々元SM練習生ということがわかってすごく納得しました。どことなくセブチのディノくんにも似てるなとも思いました。Performance ver.などを観ていると、すごくダンスがパワフルなのに軽やかで、さすがメインダンサーです。

初めてBOYNEXTDOORのMVを観た時、一番なぜか目が離せなかったのがリウくんでした。

なんでだろう、と不思議に思ったのですがMVを繰り返し見ているうちに、それはこの子の持つどこか憂いを帯びた雰囲気によるものなのだと思いました。

ダンスもパワフルだし、The元気な男の子という風貌なのに、一つ一つの表情を見ていると意外と落ち着いていて、どこか儚なさすら感じさせます。ダンス担当なのでダンスをしているシーンもあるのですが、レコード屋でレコードを見たり、本を読んだりしているシーンが多いです。

まだMV以外のコンテンツをじっくり見ていないのでこれが素の魅力なのか彼の演技力によるものなのかはわかりませんが、MV中では断トツで切ない顔をしているように思います。特にBut I Love YouのMVでは、好きな人ができて毎日楽しそうなウナクくんとは対照的に片想いの苦しみや切なさが前面に出されています。

普段は元気でわんぱくなクラスの人気者なんだけど、実は母子家庭で四人兄弟の長男として育ち家計を支えるために放課後は引っ越し屋のバイトを頑張っている弟や妹の面倒見もいい優しいお兄ちゃんで、片想いしている幼馴染の主人公にはどうしても素直になれなくて意地悪してしまうんだけど主人公が困ったときには必ず助けてくれるポジションでいてほしいです。

テサンくん

初めてテサンくんを見たとき、ビジュアル担当なのかな?と思ったのですが、ラップがとんでもなく上手でびっくりしました。

先述したように、聞き取りやすくて爽やかなラップの実力者です。

てか、めちゃくちゃかっこいい。カジュアルな服装がすごく似合うのに、どこか上品さがあります。Fredperryのアンバサダーとかやったらめちゃくちゃ似合いそう。

K-POPアイドルは手の届かない存在であって、BOYNEXTDOORは親しみやすい男の子というコンセプトでアイドルの概念と融合するのが難しいと思うのですが、等身大のコンセプトの曲にテサンくんが真ん中にいることでアイドルとしての気品が加わってグループが完成しているように思います。

ところでテサンくん、大学で死ぬほどモテているのが想像できます。大学の音楽系のサークルでバンドを組んでボーカルをしていて、音楽の趣味もノリも合う落ち着いた雰囲気の黒髪ロングの女の子と付き合っていそう。

MBTIがINTJでドッキリ企画でもメンバー達から警戒心が強いからドッキリに気づくんじゃないかと言われていたし、個人的にどんな人なのか興味深いです。

イハンくん

王子様みたいな甘い顔なのにどこかこのグループにぴったりの爽やかさと脱力感も兼ね備えていて、初めて見たとき、こんなグループのコンセプトに合っている子どこから連れてきたの?!と思いました。

本格派ヒップホップ系向きの声を持ってる他の子達とはちがってアイドルらしい優しい甘い声を持っているのもこの子です。この子の声が混ざっていることで全体の声に丸みが出て、このグループのコンセプトである少年らしさが出ていると思います。

どこかソフィア・コッポラのVirgin Suicidesに出てくるトリップにも似ていて、海外の映画に出てきそうです。

トリップ

なぜだかわからないのですが、個人的にアメリカの工科大学でエンジニアリングを専攻していてほしいです。それか、車の修理士。これほど甘い顔なのになぜか理系っぽい。

交換留学した先にいて、いつも昼休みに芝生で横になってヘミングウェイでも読んでいてほしいです。ゴリゴリの理系だけど、文学にも精通してるんだ…ってなりたい。それか、研究室配属先にいて、同じアジア人として気にかけてくれて指導教員を探していたら毎回誰か探してる?って優しく聞いてくれる大学院生の先輩。

これだけ大学・大学院生の姿が想像できる彼ですが、04lineだから今年大学1年生の代なんですよね…

ウナクくん

ほんとにいつもニコニコしていてフレッシュで可愛いTheマンネです。

他のメンバーはどちらかというとオシャレでスタイリッシュな雰囲気が漂うのですが、この子だけはコミカルさがあって、等身大の少年をよく表現しているように思います。歌もダンスもラップも上手くて、テサンくんと並んで真ん中に来ることも多いし、間違いなくグループの核だと思います。

テサンくんが真ん中に来ることでアイドルとしてのBOYNEXTDOORが完成するのと同様に、ウナクくんが真ん中に来ることで親しみやすい男の子というBOYNEXTDOORの理念が完成されるように思います。

笑顔がすごく可愛くて目もキラキラしていて、ずっとそのままでいてくれよ…という気持ちになります。

そんなウナクくんですが、すでにヒップホップのバイブスが完成しています。個人的に彼のバイブスにはYGを感じます。今は可愛らしさもありますが、大人になったらとんでもないヒップホップ爆イケオッパになりそう。これで06lineとか信じられないです。

すでに信じられないウナクくんですが、さらに信じられないことがあります。

実はグループ最高身長の185cmなんです。MVでめちゃくちゃ可愛いしダンスも上手いので小さいとばかり勝手に思ってしまっていましたが、引きで見たら一番大きくてびっくらこきました。本当に末恐ろしいです。K-POPの未来を担うアイドルになるんじゃないかとすら思っています。

今まで他のメンバーでは散々妄想を繰り広げてきましたが、この子は末恐ろしいので妄想すらできません。

 

以上です。こうやって見ると改めてメンバーが強い。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

BOYNEXTDOOR、これから花道だけを歩こうね。

最後にBut I Love YouのMVも貼っておきます。


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